原作・城平京、漫画・片瀬茶柴「虚構推理」31話『雪女のジレンマ②』のあらすじをネタバレありで考察してみました。
『虚構推理・雪女のジレンマ』第31話のネタバレストーリー&考察
怪奇×推理という異質のミステリ漫画「虚構推理」雪女編の第2話です。
ネタバレストーリー
前話(30話)までのあらすじ
11年前に友人に殺されかけたものの雪女に救われたという過去を持つ昌幸。
その後の人生でも嫁に殺されかけ、会社も乗っ取られ、田舎へと引きこもることに。
人間不信になったが雪女と再開。雪女と共にそれなりに満足した生活を送っていたものの、元妻が殺害されたことを知る。
詳しくはこちらのページで確認してください。
31話あらすじ
- 警察がやってきて元妻・美春が殺された状況が説明される。
- 昌幸が元妻・美春と離婚するきっかけとなった殺害未遂の方法が明らかになる。
- 昌幸は浮気されたうえに殺害されかけたのに、財産分与をしてまで離婚していた。
- 昌幸は雪女のことが忘れられず、元妻と結婚した理由は雪女に似た女性を選んだからだった。
- 昌幸の無実を証明するために琴子に相談することに。
詳細は考察でまとめました。
考察
元妻・美春の殺害状況
美春は隣の県(昌幸宅から車で3時間)で生花店に勤務していた。
午後7時半に生花店を退店し翌朝、近くの河川敷で発見される。河川敷は殺害現場でもある。(詳細な足取りは分かっていない)
最初は後ろから鈍器で撲られ、その後抵抗し防御したものの、頭部を繰り返し撲られ死亡。凶器は発見されていない。
握り締められた手のひらには『マサユ』と書かれており、書いたであろうペンは発見さていない。
美春の家には『自分が変死すればあなた(昌幸)に殺されたに違いないすぐ捕まえてくれ』という告発文と共に、離婚に至った顛末が書かれていた。
注目すべきは、殺害凶器である鈍器が発見されていないという点と手にひらに書かれていた『マサユ』という文字です。そして「自分が死んだ場合は昌幸が犯人だ」という告発文。
これらのことから考えると 美春は第三者に依頼して殺害される(自殺)その罪を昌幸に擦り付けようとしているのでは? という推察ができます。
ただし、実は自殺説は「スリーピング・マーダー」(25話)で使っているため、こんなに直ぐに同じようなネタを使うとは考えにくいですね。
離婚に至った顛末(美春が昌幸を殺害しようとした方法)
ただし、飲んでいるときに会社から電話があったこと、打ち合わせ先が空き巣に入られたので延期になるという偶然があったので、昌幸は高速道路に乗ることはなく、会社で昏睡した。
突然の昏睡を不審に思った昌幸が栄養ドリンクを調べたところ睡眠薬成分が発見され問いただしたところ美春の浮気と殺害計画が発覚。
昌幸は逆恨みされても迷惑なので警察に訴えることもせず、財産分与もして離婚をした。
怪異という存在が蔓延している漫画の世界観に置いて、偶然や不運が重なることには理由があるはずです。ミステリでは偶然が重なった時には意味があると考えるのは常道です。
つまり、昌幸が妻からの殺害計画から助かったのは偶然ではなく、何者かの助けが入ったと考えるべきでしょう。
更に考えると、昌幸に不幸が続いたというのも何かしらの力(怪異)が働いたと考えて良いかもしれません。
警察が昌幸を疑う理由
・美春の告発文が残っていた。
・事件の直前に妻に似ている人物と一緒にいる防犯カメラの映像も残っていた。
・殺害時(9月12日午後8時~午後10時)のアリバイがない。
・美春の手に書かれていた『マサユ』という文字はマサユキと書こうとしたのではないか。
これらの条件から警察は昌幸を容疑者と見ています。
ですが妻に似ている人物とは雪女のことであり、殺害時も雪女と一緒に居たのでアリバイはあります。ただ昌幸は雪女を証人には出来ないと考えており、警察には言えないでいます。
後、警察は手のひらに書かれた『マサユ』という文字は犯人に隠れながら書いたと推理していますが、ペンが見つかっていないことを考えると、美春が働く生花店で頼まれごとをして忘れないように手のひらにメモを書いた。ペンは生花店のものなので、美春が持っていないくて当然。とも考えられます。
時系列
31話でわかった出来事を時系列にしました。赤文字にした部分が31話で新たに判明したことです。
21歳⇒友人に殺されかけ、雪女に救われる
22歳⇒大学卒業と同時に起業
24歳⇒昌幸を殺そうとした友人が交通事故で死ぬ
29歳⇒結婚
31歳の6月⇒離婚(妻の浮気と殺されかけたことが原因)
翌年2月⇒裏切りにあい会社を吸収合併される
32歳の5月⇒学生時代に雪女と出会った山の麓に引越し、雪女と再開
同9月4日⇒雪女とショッピングモールで買い物をしていたのを防犯カメラが映してた。
同9月12日⇒元妻・美春が殺害される。昌幸はその時刻雪女と天ぷらを食べていた。また昌幸何者かに電話をして「後のことは頼む」と伝えていた。
同9月25日⇒警察が訪れる
同10月4日⇒琴子登場
大学時代に昌幸を殺そうとした友人はその3年後に死亡していることが分かりました。
また昌幸は美春が殺害された時には雪女と一緒に天ぷらを食べていたので、アリバイがあります。相手が雪女ということで警察に話すことが出来ないものの、昌幸が直接殺したのでは無いことはほぼ確実です。
ですが!昌幸は美春殺害の夜に電話で「後のことは頼む」と何者かに話しています。この相手は気になるところです。
犯人予想
現在登場している主な人物のなかで生存しているのは「昌幸」「雪女」「昌幸の電話相手」「美春の不倫相手」「警察」です。
昌幸が電話相手に頼んで殺害させたという線もありますが、だとしたら雪女というアリバイにならない人物と一緒に居る時間帯に殺害させるのは変です。
ではこの中で誰かが犯人なのかを考えたところ 雪女が犯人 と考えると1番スッキリします。
31話では昌幸が雪女に一目惚れしていたことが判明しますが、雪女も昌幸に惚れていたのではないでしょうか。そう考える理由は小泉八雲の物語「雪女」にあります。
小泉八雲の物語でも雪女が男を救った理由は男の顔が良かったからであり、その後雪女は助けた男と結婚しています。
今回登場する雪女も昌幸に惚れていると考えてもおかしくはありません。
それを踏まえた上で、上記で考察したことを当てはめていくとスッキリすることがいくつもあります。
凶器が見つからない理由⇒雪女が作った氷で殴ったから
美春による殺害計画から昌幸が偶然助かった理由⇒昌幸をストーキングしていた雪女が救った
大学時代に昌幸を殺そうとした友人が3年後に死亡⇒昌幸のために雪女が殺した
アリバイ⇒雪女なので車で3時間の道のりも素早く移動できる
雪女は昌幸のアリバイがあるときに美春を殺そうとしたが、昌幸は人との交流を断っていたのでアリバイが作れなかった。そこで自分が証人になろうとしたが、昌幸に雪女は証人にはならないと言われてしまい、困ったあげくに琴子を頼ったのではないでしょうか。
可愛い雪女の容姿に騙されがちですが、小泉八雲「雪女」の通り、凶悪な本質があるのかも……。
以上が31話を読んだ管理人の推測です。とはいえ「電話先の人物」と「手に書かれた『マサユ』」の意味がわからないのでまだまだ謎が残っています。
2話で完結しなかったので、長期になりそうな予感もあります。
濃厚なミステリーになりそうなので楽しみです。
32話のネタバレストーリー&予想はこちらです↓