漫画『テセウスの船』10巻(最終巻)(2019/12/23発売)で判明したこと、加藤の動機などをまとめ考察を踏まえながらまとめました。ラストの意味も考えてみました。
『テセウスの船』10巻(最終巻)ネタバレストーリー&考察
ついに「テセウスの船」最終巻が発売されました!
長かった心と加藤みきおとの対決もついに決着。
ということで簡単なネタバレあらすじと考察をまとめました。
ネタバレストーリー
前回まで
再び過去に戻ってきた田村心だが、未来の加藤みきおも一緒に過去に飛んでいた。
お泊まり会が近づいたことにより、一層警戒をする心と文吾。妻の和子、子供の鈴、慎吾を避難させるが途中で加藤に拉致されてしまう。
みきおは義母になるはずだった木村さつき先生を殺害する。
10巻のネタバレあらすじ
- 加藤みきおが青酸カリ殺人を行おうとしていた動機は、佐野鈴を自分のものにすることであった。
- みきおは青酸カリ殺害作戦を中止。今までの罪は未来のみきお(おじさんの信也を名乗っている)が全て被り、拉致した鈴をみきお(子供)が救出することで鈴にとってのヒーローになる計画を立てる。
- 田村心がみきお(未来)の犯行を寸前で阻止するが、刺されて死亡してしまう。みきお(未来)も文吾によって射殺される。
- みきお(子供)が収録していたテープを心が持ってきたことでみきお(子供)は少年院へ。少年Aと呼ばれることになる。
- 現代では佐野親子は普通に生活しており、心は教師になり交際している女性を家族に紹介する。
ということで、ハッピーエンドで幕を閉じました!
考察
みきおの動機と計画変更の理由
みきおが青酸カリ殺人を計画・実行した動機は佐野鈴を自分のものするためだったのです。その結果、未来のみきおは鈴に近づき、結婚(内縁)することができたのですが、そこにはみきおが好きだった鈴はいませんでした。
自分の父親が殺人犯として捕まって、隠れるように生活をしていたのだから当然ですよね。
そこでみきおは、いくら殺しても本当の鈴を手に入れることが出来ないと、過去のみきおに説明をします。
その結果、未来のみきおが全ての罪を被り、過去の子供みきおは鈴を助けてヒーローになるという計画を立てたわけです。
ラストの女性は?
田村心が犠牲になることで、みきおが真犯人だという証拠も出てきて父親・文吾が逮捕されないという未来を得ることができました。
その後・心は無事に誕生し、教師になります。そして同僚の女性教師と交際。
ラストはその女性を家族に紹介するのですが、名前は出ていませんでしたが、間違いなく岸田由紀でしょう。
由紀は最初の世界線では、心の妻でしたが、出産と同時に死亡しています。
その後、一度タイムスリップした後には二人は出会っていないことになっており、由紀はバツイチでジャーナリストとして活動していました。
そして、二度目のタイムスリップにより最高の未来を手に入れた結果、二人はまた出会うことになったのでしょう。
ラストに登場する心は殺人犯の息子として生まれた田村心ではなく、警察官・佐野文吾の息子として生まれた佐野心です。田村心と佐野心は同じ人物なのか?これが「テセウスの船」のパラドックスということでしょう。
ですが、佐野心は田村心と同じように岸田由紀に惹かれ交際します。
つまり、本質的なことは変わらず同じものという意味を込めたのではないでしょうか。