『虚構推理』鋼人七瀬編のあらすじ・七瀬かりんの死因・4つの推理を解説

サスペンス・ミステリー
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原作・城平京、作画・片瀬茶柴の漫画『虚構推理』1巻~6巻に収録されている鋼人七瀬編の七瀬かりんの死因や琴子の虚構推理合戦をわかりやすくまとめました。

『虚構推理』鋼人七瀬編を解説

城平京さん原作の『虚構推理』1巻~6巻に収録されている鋼人七瀬編。

虚構推理というタイトルの通り、虚構=実際にはない、作り上げたことを推理していくという斬新な設定だからこそ、わかりにくい、複雑だと感じた人もいると思います。

そこで、できる限りわかりやすくまとめてみました。

ストーリー(ネタバレあり)

怪異たちの知恵の神である岩永琴子は「鋼人七瀬」と呼ばれる怪異が暴れているので対処してほしいという妖したちの依頼を受けて真倉坂市を訪れる。

鋼人七瀬とは 七瀬かりんというアイドルの亡霊 だということがわかる。

ただし鋼人七瀬が生まれたきっかけは、七瀬かりんの死の噂をまとめたサイトが、人の想像力を膨らませることで生まれた亡霊であった。

そしてついに、 刑事である寺田が鋼人七瀬によって殺害される という悲劇がおきる。

琴子はまとめサイトで 4つの虚構の推理 を披露することで、鋼人七瀬を生み出した人々の想像力を誘導することに成功する。

※琴子、九郎、紗季、六花などの人間関係に関してはストーリー本質とはあまり関係が無いので割愛します。詳しくは単行本にて!

七瀬かりん(本名・七瀬春子)の真実

嘘のうわさとまとめサイトのせいで鋼人七瀬となってしまった七瀬かりんですが、アイドルデビューから死亡、そして父親の死に関する真実をまとめました。

アイドルデビュー

高校生時代にグラビアアイドルとしてスカウトされる。

深夜連続ドラマ『青春火吹き娘』のレギュラーに抜擢。作詞作曲した曲「火炎放射器とわたし」もヒット。人気者に。

有名国立大学に進学し、順風満帆であった。

父死亡

父親が階段から転落して死亡。事件性がなかったが、娘の金目当てに働かなくなった父親を かりんが殺害したという噂が流れる。 

父親は友人にかりんから蔑まれていると愚痴っており、更に 殺意を感じるという手記 も発見される。

ネットを中心に噂が流れ、かりんは活動を休止。マスコミを回避するために地方のホテルを転々としていたが、真倉坂市を訪れていた時に鉄骨の下敷きになって死亡。死因は脳挫滅。 顔が潰れていた。 

事故、他殺、自殺の観点から捜査した結果、警察は事故死だと結論。

ただし、かりんと確執のあった姉である初美はかりんの死に対して懐疑的であった。

かりんの死の真相

死ぬ場面を目撃していた幽霊の証言のもと、偶然落ちてきた鉄骨をかりんはかわそうとせずに受け入れたことが判明。死因は 「限りなく自殺に近い事故死」 であった。

※作品を楽しむためには幽霊の証言という部分は深く考えてはいけません。

 

父親の不自然な死に加えて、かりん本人の死亡が相まって噂が広がり、その噂をまとめサイトが煽った結果、鋼人七瀬という亡霊が誕生したというわけです。

4つの虚構推理合戦

琴子はまとめサイトの住人たちを納得させるために4つの虚構を展開します。

① リアル路線

寺田刑事が殺害された事件は 鋼人七瀬に見せかけたトリック殺人 であり、犯人は女性警官であると推理します。

亡霊などおらず、実際に人が殺人を犯したという理論展開をすることで、元々亡霊に懐疑的であった人間を正気に戻そうとしました。

②オカルト路線での除霊

かりんの父親が死んだ事件はかりんを殺人犯に仕立て上げようとした父親の自作自演の自殺であり、そのことを知らないかりんは父親の死を悼みつつも事故に巻き込まれて死亡。

幽霊となり死後の世界を訪れたかりんは、死んだ父親本人から罠にはめられたことを聞き、亡霊となって現れたという説です。

 父親を殺したのではなく、実質的には父親に殺されたのだと知ってほしくて七瀬かりんは亡霊として現れた。 

だからこそかりんを成仏させてほしいとサイトの住人に懇願します。

 

次は一転変わって、鋼人七瀬という亡霊は七瀬かりんで間違い無いというオカルト路線で説得を試みます。まとめサイトにいる人たちは亡霊という存在を信じているため、亡霊であることを認めたうえで成仏させて欲しいと説得したのです。

③真犯人でっちあげる

かりんの死を信じられない姉・初美の話を出します。初美はかりんの死体は入れ替わりだと思い悩んでいた、と。

そんな初美に想いを寄せる男が亡霊を装って現れることで、亡霊だからかりんは死んでいると思わせて初美を安心させようとしたのだいう物語を作ります。

そして 寺田刑事を殺したのはこの扮装した男 であり、この男を逮捕しなくてはならないと言い切ります。

 

リアル⇒オカルトと展開した後に、寺田刑事殺しの真犯人をでっち上げて登場させました。

④七瀬かりん実は生きている説

次に琴子はかりんが同じ背格好の女を見つけ出し、 自分の身代わりにして殺害して成り代わった。 という説を出します。顔を潰したのは成り代わったことをごまかすためだと。

そして鋼人七瀬はかりんが作り出した噂であり、まとめサイトもかりんが作ったものであると説明します。

寺田刑事の殺害に関しては、かりんが身代わり殺人をしたことに勘付いた刑事を殺害するに至ったのだと結論づけました。

 

この推理により、まとめサイトそのものが、かりんが作り出した嘘のサイトであると住人たちを誘導することに成功し、鋼人七瀬は消え去りました。

総括

①リアル路線により現実主義者を説得⇒②オカルト路線の温情により、オカルト派に成仏を促す⇒③それでも納得しない人に『真犯人』という分かりやすい敵を作り出す⇒④最後にまとめサイトそのものが、嘘であるという結論を突きつける。

この4つの虚構推理を用いることで、サイトの住人たちを徐々に説得していったというわけですね。

琴子は最終的にサイト運営者に嫌疑をかけることを目的とし、この4つの手順を踏むことでそれを達成したということです。

 

なるべく分かりやすくまとめたつもりですが、どうでしょう。

それにしても複雑っす~

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